白内障手術
白内障
水晶体をカメラに例えるとレンズの役割をするとよく言われます。この部位は無色透明なので、光は網膜まで到達しやすくなります。ただ何らかの原因で混濁してしまうと、光は網膜まで到達しにくくなって、かすみ目（霧視）や視力低下がみられるようになります。また水晶体が濁ってしまうことで光が散乱するようになることで、光をよりまぶしく感じていきます。このほかにも混濁によって、光の屈折にズレがみられて物が二重に見える（複視）などの眼症状もみられます。
発症の原因は、いくつかあります。その中で最も多いのが加齢です（加齢白内障）。年を経るごとに白内障の発症率は上がっていきます。80歳以上になると程度の差はありますが、ほぼ全員が白内障に発症していると言われています。上記以外の原因としては、併発白内障があります。これは、緑内障やぶどう膜炎、網膜剥離などの網膜疾患等、別の眼疾患が原因となるケースのほか、糖尿病やアトピー性皮膚炎といった全身疾患によって引き起こされることもあります。また、眼球打撲や水晶体が直接的な損傷を受けるなどして発症する外傷性白内障、ステロイド薬の長期投与等による薬剤性白内障もあります。このほか先天的な原因によって発症する白内障（先天性風しん症候群による白内障 等）もあります（先天白内障）。
診断をつけるにあたって行う検査としては、視力検査、細隙灯検査（細隙光を目の中に入れ、濁りの有無を確認）散瞳検査で確認することができます。上記以外にも、ほかの病気（緑内障 等）の可能性を調べるために眼圧検査や眼底検査も行います。
日帰り手術について
当クリニックでは、日帰り（外来）で白内障手術を実施しています。
手術時間は約10分から15分程度です。
当日は入浴、洗顔不可 翌日午前中に必ず受診をお願いいたします。
※詳しくは院長までお気軽にお尋ねください。
術後は感染予防などのために点眼が必要になります。また手術創は小さいので縫合しなくても1ヵ月程度で治るようになります。それでも点眼は1～3ヵ月程度必要とされ、その間は定期検診として何度か通院していただきます。
眼内レンズについて
白内障の手術で必要とされる眼内レンズは大きく分けて2種類（単焦点眼内レンズ、多焦点眼内レンズ）あります。そのため、手術をすることを決めた時点で、どちらかを選択しなくてはなりません。当クリニックでは現在単焦点レンズのみの白内障手術のご案内となります。
単焦点眼内レンズ
単焦点眼内レンズは、近くもしくは遠くのどちらか一点のみに焦点が合うレンズになります。そのため、見えにくい方の距離については、老眼鏡や凹レンズによって矯正することになります。この場合は、手術からレンズまで全てが保険適用となります。
多焦点眼内レンズ
多焦点眼内レンズは、近くでも遠くでも焦点が合うレンズになります。そのため矯正レンズを使う機会は減るようになります。デメリットとしては、コントラスト感度の低下、レンズに慣れるまでにある程度時間がかかる、光がにじんで見える（ハロー・グレア）ということがあります。また、すべてが保険適用とはされないので、費用は割高になります。
