日帰り硝子体注射

水晶体の奥側にある無色透明のゼリー状の物質が硝子体です。この硝子体は、目の中に入ってくる光を屈折させて網膜へ届ける、眼球の形を保つなどといった働きをするものです。

この硝子体に向けて、直接注射針を刺して薬剤を注入していくのが硝子体注射です。この場合、日帰りにて行います。眼球に針を刺す形になりますので痛みを不安がる方もいるかと思いますが、まず施術前に点眼麻酔を行います。これによって注射時に痛みは感じにくくなります。点眼麻酔後、ヨウド点眼(消毒)したのち角膜論部(黒目の淵)から3・5ミリ~4.0ミリのところに注射を行います。施術自体は注射ですので数分で終了します。使用する注射針は、非常に細いので孔ができてもすぐに塞がるようになります。

使用する薬剤は、抗VEGF薬と言われるもので、網膜血管や脈絡膜より発生する新生血管(脆くて破れやすく、視力低下などを引き起こす)の増殖や成長を抑制し、退縮させていく効果があるとされています。これまでは、加齢黄斑変性の患者さまに使用されてきましたが、その後は糖尿病黄斑浮腫、網膜静脈閉塞症、血管新生緑内障などの患者さまにも用いられるようになりました。

硝子体注射は、まず1回施行しその後経過次第で複数回行われることがあります。